平成12年頃からの焼酎生産量の増加に伴い、焼酎蒸留粕の排出量は増加傾向にあります。特に焼酎粕の排出量は一般的に焼酎の生産量の2倍の量といわれています。
以前は、海洋投棄、農地還元および飼料化などの方法で焼酎蒸留粕の処分が行われていましたが、平成19年「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約(ロンドン条約)」の改正により、海洋投棄が原則禁止となったため、焼酎蒸留粕の陸上での処分方法の確立が必要となりました。
焼酎蒸留粕の代表的な処理形態としては、大手単独や組合方式で設置された陸上プラントによる方式があり、焼酎蒸留粕は「肥料・飼料化」や「メタン発酵」といった方法で処理されています。
焼酎乙種製生数量(全国)国税局(2013)
表1 焼酎粕成分分析例(日本暖地畜産学会会報誌(2012) 55(2):102-107)
成分 (%) | 水分 | 粗蛋白質 | 可溶無窒素物 (NFE) | 粗脂肪 | 粗繊維 | 粗灰汁 |
甘藷焼酎粕 | 95.2 | 1.42 (29.6) | 0.72 (15.0) | 0.07 (1.5) | 1.33 (27.8) | 1.26 (26.1) |
米焼酎粕 | 92.4 | 3.21 (42.2) | 0.80 (10.5) | 0.07 (0.9) | 0.60 (7.9) | 2.92 (38.5) |
麦焼酎粕 | 91.1 | 3.56 (44.0) | 1.64 (20.2) | 0.26 (3.5) | 0.57 (7.0) | 2.05 (25.3) |
( ) の数値は 乾燥%